一般的にのし紙の構成は【のし・水引・表書き・名入れ】です。
のし(熨斗)とは、のし紙全体を指すのではなく、本来は右上にある飾りの事を言います。
この「のし」は縁起物とされているため、弔事(葬儀などのお悔やみ事)の場合にはつけません。
中の黄色い部分が長寿や繁栄をもたらす縁起物とされている『アワビ』を表していて、この飾りを「のしあわび」と言い、省略して「のし」と呼ばれるようになりました。
水引の種類と用途
のし紙につける水引は、慶事・弔事の内容によって選びます。
- 蝶結び…何度繰り返しても良い事
- 結び切り…一度きりであってほしい事
上記のように、結び方で意味が異なるため、場面に合った水引を選ぶようにしましょう。
また、お祝い事には紅白の水引、弔事には黒白・黄白の水引を使用するなど、色によっても用途が変わります。
出産祝いやお中元には紅白蝶結び
蝶結びは何度でも結び直せる事から、”何度繰り返しても良い”とされる、出産や誕生日、入学などのお祝い事や、お中元などの贈り物に使用します。
- 出産祝い【御祝/寿/御出産御祝】
- 入学祝い【御祝/御入学祝】
- 新築祝い【御祝/祝御新築】
- 引越祝い【御祝/新居御祝】
- 開業・開店祝い【御祝/祝御開店/祝御開業】
- お中元・お歳暮【御中元/御歳暮】
結婚祝いは紅白結び切り
結び切りは、結び目が固く結ばれて離れない事で、”一度きりが良い”とされる、結婚祝いなどに使用します。
また、何度も起きてほしくないという願いからお見舞いにも用いられますが、この場合には、のしはつけないようにしましょう。
結婚祝いに用いる水引の数は、奇数ではなく偶数の10本が良く、お見舞いや快気祝いの場合は5本または、7本の結び切りを選ぶと良いでしょう。
- 結婚祝い【寿/御結婚御祝/御祝】
- 婚礼引き出物【寿】
- お見舞い・快気祝い【御見舞/快気祝】
法事には黒白結び切り
御霊前や御供、法事のお返しなど、二度と繰り返したくないお悔やみには、黒白結び切りの水引を用います。
のしはおめでたい事柄で使用するものなので、つけません。
- 通夜・葬儀【御仏前/御霊前】
- 法要お供え物【御供/御仏前/御霊前】
内のしと外のしの違いは?
お店で贈り物にのし紙をかけてもらう際に、店員さんに「内のしにしますか?外のしにしますか?」などと聞かれる事が多いと思います。
この「内のし」と「外のし」の違いを説明していきますね。
菓子折りなどの贈り物に包装紙がされている場合に、「のし紙を包装紙の内側にかける」のか、「外側にかける」のか、という違いだけです。
「内のし」とは、品物にのし紙をかけた上から包装紙で包んだもので、内祝いなどのお祝い返しには内のしを使うのが一般的です。
「外のし」とは、品物を包装紙で包んだ上に、のし紙をかけたものを言い、結婚祝いや出産祝いの贈り物に良いとされています。
しかし、宅配を利用する場合には、”のし紙が傷つかないように”や、”表書きが見えないように”と配慮して、内のしにするといいでしょう。
まとめ
- のし紙は、用途に合った水引の結び方を選びましょう
- 蝶結びの水引は、何度あっても良い「出産祝い」や「入学祝い」、「お中元」などに使用する
- 紅白結び切りの水引は、一度きりが良い祝い事で「結婚祝い」などに使用する
- 黒白結び切りの水引は、一度きりであってほしい「お通夜」や「葬儀」の法事などに使用する
- 内のしと外のしは、包装紙の内側か外側のどちらにのし紙をかけるかの違い